梅雨が明けるといよいよ本格的な夏がやってきます。
今年も猛暑が予想され熱中症警戒レベルに達する日が続きそうです。
行動制限が出ていた昨年とは違い、今年の夏は何をしようか、どこに行こうか、何を買おうかと、皆さんいろいろ考えているかと思います。
私たちは介護職ですから、まだまだ感染対策に神経をとがらせ、利用者様を守っていかなければなりません。
私たちの生活が元に戻ることがあるとすれば、一番最後だと思います。
それでも、そろそろ前向きな希望=「欲」を持ってもよいのではないでしょうか。
「欲」と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?
「欲張り」「欲深い」「強欲」と悪い言葉が出てきますが、「欲が無くなったら人は終わり」と言っている作家もいます。
5段階欲求(生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現の欲求)はよく知られていますが、人間死ぬまで「欲」は無くならないともいわれます。
自分自身の事ですが、若いころは「欲」がたくさんあって、欲しいものは欲しい、だからいっぱい働いて、お金を稼いで一切妥協はせず、ギラギラしていました。
それが年齢を重ねるごとに、あきらめと上手に折り合いをつけられるようになったのか、欲が少なくなってきたのか、何が何でもという気持ちが無くなってきた気がします。
加齢による変化でしょうか。
もやいの利用者様で、入院中は経口摂取困難で何も召し上がれずにいましたが、家に帰りたいと希望し、そのままの状態で退院しました。
そして在宅に戻ったその日から、ヘルパーさんの作った食事をおいしい、おいしいと召し上がっていた方がいます。
一週間後ご逝去されましたが、その一週間に入っていた8人のヘルパーさん全員に、「ありがとう、治ったらみんなで温泉に行こう」と最後までおっしゃっていました。
「家にいたい」、「早く治りたい」、「温泉に行きたい」というご本人の「欲」が、医療を越えた力になったのではないかと今になって思います。
「欲」に対する気持ちの変化は、年齢ではなく、個人の思いの強さなのかもしれません。
「欲」は希望であり、力であり、命の源なのかもしれません。
「欲」がある人は強い。
欲しいものがあるから必死に働いて、行きたいところがあるから元気でいようと思う。
元気にいたいと思うから食べて、体のメンテナンスをする。
おなじ仕事をするにしても「欲」をもってするのと、何となく流れのままにするのでは、結果が全然違います。
やっぱり「欲」は私たちの生活になくてはならないものだと思います。
希望のある「欲」は人を向上させ、周りを巻き込んで明るい明日を作っていく気がします。
今年の夏、残りの半年、そしてこれからの人生、何をしていこう。
どうしていきたいのか。
責任ある世代の今の「欲」を考えてみようと思います。
皆さんも「欲」を持ってこの夏を元気に乗り切りましょう。