「高齢者のQOLを高めるペットとの暮らし」を考える。

もやい千住支援 管理責任者 野村京子


夏本番が始まります。
引き続き、健康管理に気を付けたいですね。
私は愛犬と近所の公園の散歩を日課にしています。

先日、「高齢者のQOLを高めるペットとの暮らし」(医科学博士 的場美芳子先生)のコラムを読みました。
犬とお互い目を見つめ合うことで、‘愛情ホルモン’と呼ばれるオキシトシンが双方に分泌されるそうです。
またペットを飼っている高齢者は、生活への満足感とも言えるQOLが高くなるという調査研究があるそうです。
その理由の1つがペットとの暮らしで生まれる生活習慣です。
自分が面倒をみてあげないといけないペットの存在が生活にハリを与えると同時に、生活リズムを規則正しくしてくれます。
ペットとのふれあいが飼い主の身体機能や認知症予防の刺激として役立つそうです。

高齢者施設にセラピー犬を同行させた経験談がありました。
手のひらにこわばりがあり自力で手のひらを広げられない入居者さんがいたそうです。
その方に犬用フードを握ってもらい犬に与えてみる試みをしました。
尾を振ってフードをくれるのを嬉しそうに待っている犬。
でも自力では手を広げられないので、介護スタッフが1本1本指を開いて「どうぞ。」と犬に与えたそうです。
そんなやりとりを訪問の度に繰り返していると、その方の手が開くようになったそうです。
今までどんなリハビリでも効果がなかったそうです。
犬にフードを与えたい一心で、手の機能を取りもどす事ができたそうです。
動物の力ってすごいですね。

もうひとつ紹介したいことがあります。
「特別養護老人ホーム さくらの里 山科」(神奈川県横須賀市)です。
ここはペットと暮らせる日本では唯一の特養です。
「犬と暮らせるワンズユニット」と「猫と暮らせるニャンズユニット」があるそうです。
今までは高齢になり、ご病気等でペットを飼えなくなり、泣く泣く保健所等に手放す方も多かったでしょうが・・・ここではペットと一緒に入居ができます。
施設長のお話ですと、初めからペットと暮らせる老人ホームを作ろうと考えた訳ではなく、入居者様のひとりひとりのQOLを高めること、最期まで人生を楽しんで頂くことを目的に、その方法のひとつとして「最期までペットと暮らせること」だそうです。
施設ではペットの最期を飼い主さん(入居者さん)が見送ることもあれば、ペットが飼い主さんの最期を見送ることもあるそうです。
こんな施設がこれからもたくさんできればと思います。
私もぜひこのような施設に愛犬と入所したいです!

お知らせ一覧へ戻る