しみじみと秋を楽しむ

ヘルパーステーションゆいま~る葛飾 管理責任者 渡辺久美子


彼岸花が咲き終わり、落ちた金木犀の花が道端に彩りを添えて秋の香りを感じさせてくれます。
見過ごしてしまいそうな秋の風景のほんのひとこまですが、その一瞬が、すーっと自分に入り込み心が和みます。

自転車で移動中、真っ赤な彼岸花が色々な所で目に入り、そろそろ花も終わりに近づいた頃、ふと今年は我が家の彼岸花を見ていないことに気がつきました。
時すでに遅し。
もう真っ赤な色はどこにもなく、咲き終わった後でした。
気に留める心の余裕がなかったのでしょうか。
そんな自分に少し淋しさを感じました。

去年までは年に何回か旅行をし、行く先々で景色、旬の食べ物、体いっぱいに季節を感じて、私自身リフレッシュできる楽しい時間でした。
今年はそれがままならず、時間だけが過ぎ、ふと気がついたら秋になっていました。

日本の人には欠かせない新米。
南瓜、さつま芋、栗、ぶどう、柿、イチジク等々。
今は少し高級な果物になってしまったイチジクですが、子どもの頃はあちらこちらにイチジクの木がありました。
子どもでも手の届く高さの緑色の若い実をもぎると、白い樹液が出てくるのが面白かったのをよく覚えています。

遠くまで足をのばさなくても、見上げると小さな雲が連なって広がるいわし雲。
道端には秋の草花たち。
まだまだ冬に移るまで時間はあります。

コロナ禍の中で制限されてしまう事が多々ありますが、少しでも季節の変化を感じとれる心の余裕を持ってサービスを行いたいものです。
介護のプロであるとともに、温かみのあるヘルパーさんからの声掛け、それは必ず利用者様にも伝わります。
皆様のご協力で、事故なく利用者様にサービスが届けられていることに感謝しています。

私の好きな秋の季節を表す言葉です。

秋麗  あきうらら/しゅうれい
麗(うらら)かに晴れわたる秋の日。陽気がよくて長閑(のどか)なこと。

小春日和  こはるびより
晩秋から初冬にかけて現れる、穏やかな温かい晴天。
厳しい冬を前に現れる、温和な天気を喜んだ言葉。

文字を見ただけでも、頭の中にその風景が浮かんできます。
ベランダに布団を干しながら、しみじみと秋の空気を感じ、ほっとする自分がいました。

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