10月15日に行われたリビング・オブ・ザ・イヤー2015に、昨年に続いて選考委員として参加してきました。この催しは高齢者住宅経営者連絡協議会の主催で実施されているもので、今年で2回目をむかえます。全国の高齢者住宅から優れたサービスを提供している施設を募り(今年は48ホームがエントリーしました。)、第1次、第2次選考を経て審査委員3名による訪問実地調査が行われました。7ホームが最終選考に残り、独自のサービスや優れた取り組みについて1施設10分のプレゼンテーションを行い、会場の100名の選考委員が投票して大賞1施設を選出しました。
最終選考に残ったどの施設のプレゼンもみな素晴らしく、優劣つけがたいものでした。規模はまちまちですが、共通しているのは理念を全職員が共有し実践していること、介護を提供している職員のレベルが高いことです。どの施設も地域にしっかり根付いており、地域との交流が密です。認知症への取り組み、医療との連携、看取の看護など入居者の今までの暮らしのリズムを崩さない、施設とはいえ普通の暮らしがそこにあるということです。職員が自分たちの持っている介護の知識や技術を地域の皆さんに提供し、施設を中心に新しいコミュニティーができ上がり活性化しているという印象を受けました。
働き方も多様で、定年制を設けていないという事業所もありました。元気な人は年齢に関係なくできることに積極的に取り組んでいます。いくつになっても社会に必要とされている存在であり、期待されることによってますます元気になるという循環が、良い形で程よく実施されているようです。住み慣れた町の町内会の延長のような住まいを、施設の中にみつけることができました。
大賞には、福岡市の特別養護老人ホームくぬぎ苑が選ばれました。くぬぎ苑の理事長さんが受賞の感想を尋ねられた時、「特養がやっと高齢者住宅の仲間になれた、そんな気持ちです」と述べられたことが心に残りました。どこの施設も私たちの老後を託せる元気なスタッフが育っていることを心強く感じました。