コロナが突然やって来て、新型コロナウイルス感染拡大で様々な災禍が残されましたが、訪問介護や通所介護にも経営上の影響がありました。
感染の懸念から、外出自粛要請や訪問を控えるようにという御利用者からの要請もあり、お客様がサービスから離れてしまうことになりました。
通所介護でも、通所を控える例がありました。
外出しないで家に引きこもることで、活動や動作が減ることやほかの人との会話が少なくなることが心配されました。
運動機能や言語機能、コミュニケーション機能が低下することは、閉じこもりや認知症状の悪化、寝たきりの危険が発生します。
早く普通の生活に戻れるようにと願っていました。
コロナの先行きは分かりませんが、コロナと一緒にということでウィズコロナの時代になりました。
感染症はいつもあるものなので、感染症と共に暮らしていくことになります。
介護サービスについて国は、高齢者やその家族の生活を支え、高齢者の健康を維持する上で不可欠と考えています。
感染症による重症化リスクの高い高齢者には、最大限の感染症対策を行いながら、必要なサービスを継続的に提供する体制が必要だとしています。
一般社団法人である、「民間事業者の質を高める」全国介護事業者協議会が、訪問介護事業者を対象としたアンケート調査をもとにして、「訪問介護サービスのこれからを考える10の論点」という冊子を令和2年3月に発行しました。
災害時の在宅避難者への支援や、感染症等の大規模な流行が生じた場合の要介護者へのケアの継続の重要性も強調しています。
訪問介護の将来予測については、
(1)人口予測から考えて10年後には需要が約2倍になる
(2)10年後には訪問介護サービスはなくなってしまう
という2つの見方があります。
将来の予測は難しいので、事業者のアンケートを参考にして考えたいと思います。
訪問介護事業の経営状況は厳しいものです。
「10の論点」のアンケートでも、24.5%の事業者が収支状況が「赤字」としており、事業の業況についても約40%が「不調」「どちらかといえば不調」としています。
更に今後の事業継続の可能性については、「現在の状況が続けば、事業継続ができなくなる」という事業者が約60%あり、事業継続が可能な年数は平均5.1年となっています。
訪問介護は生き残りの岐路に立っていると言えますが、「現状の状況であっても、事業は継続できる」という事業者も40%あり、将来の見通しについては、現在の収支状況と事業の業況に相応すると考えられます。
将来のためには、これから毎年の収支状況が「赤字」でなく、事業の業況が「不調」でなく、業績が平均以上であることを目指しましょう。