半年を振り返って

取締役 渋谷紀久雄


かつてない猛暑の夏を迎え、今年も半年が終わってしまいました。
3月には、6年に一度の介護と医療の同時改定と総合事業の市区町村への移行という、大きな制度改正がありました。

今回の改正を乗り切ることを、今年度の事業目標としていました。
今回の改正は、3年後2021年度の介護報酬改定や2024年度の次期ダブル改定を経て、団塊の世代が75歳以上に達する2025年を見据えたものです。
将来、制度が求める機能や、地域が求める役割を果たすことが出来るように、会社を改革する準備期間の出発点と言えます。
その為には次のような課題があります。
①  新しい報酬で、採算が取れるか。
②  会社の改革は、何をどのようにするか。
③  総合事業=地域包括ケアの取り組み方。

1) 売り上げ目標は、各事業所の前年度の売上げを基にして1月に作成しますが、今年は改正後の4~6月の3ヶ月の売り上げによって目標を修正することにしました。
今月に入って3ヶ月間の総売上げの平均を見ると、売り上げ目標の3.3%減でした。
毎年1~3月の売り上げは低調ですが、4~6月で取り戻していましたがそれが出来なかったのは報酬改定の影響と考えています。
経理係の月次報告では、6月の売上は営業利益・経常利益ともプラスでしたが、営業利益の累計はまだマイナスであり、7月にはいくつかの大きな支払いもあり厳しい状況であると言うことでした。
給付の抑制と介護人材不足という厳しい環境はこれからも続きますから、収支が苦しいときこそ、丁寧にコツコツと自分の仕事に全力で没頭しようと思います

2) これからの介護は、介護保険制度など一つの制度ではまかないきれず完結しなくなりました。
地域包括ケアシステムとか、総合事業とか新しい制度が生まれていますが、将来必要なのは制度や地域から求められる事業者です。
環境の変化に適応できるように、必要な改革を進めて会社を新しくしていこうと思います。
中期3年の経営計画を立て実現可能なものから整えていく必要があります。

3) 介護保険の要支援者に対する予防給付のうち、介護予防訪問介護と介護予防通所介護が、自治体の事業として総合事業に移行し、これらの事業以外に自治体独自の基準による訪問介護サービスも実施されます。
その目指す姿は、住み慣れた自宅や地域で暮らし続けながら、必要に応じて医療や介護等のサービスを使い、最期を迎えられる体制である地域包括ケアシステムであると言えるでしょう。
ご自宅での生活を支える訪問介護事業は、総合事業となじみやすいのですが、報酬単価の抑制によって、民間事業者の総合事業への参加が足踏みしています。
事業者が協力出来る報酬単価の決定を待ちたいと思います。

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