私は、公益社団法人日本看護家政紹介事業協会の広報委員をしております。協会の広報誌「はなえみ」の編纂委員として、リニューアル版の巻頭インタビューの取材に同行させていただきました。杉並区久我山の閑静な住宅街にある樋口先生のご自宅は、紫陽花、クレマチス等の花に囲まれた素敵なお宅でした。
笑顔に迎えられ応接室に通されて、開口一番「私今年83歳、こんなに長生きして、家の寿命が先に来てしまい、来年は全部壊して建なおしするのよ。人の寿命が、木造建築の寿命を追い越したということね!」とおつしゃっていました。ただ全く健康でというわけにはいかず、体のほうもガタがきて、ゴールデンウィークには感染症で半月ほど入院しました。急に高熱が出て、白血球数が低下して、点滴と検査ぜめの毎日でした。日和見感染というもので、高齢者は元気なように見えても、免疫力が低下しているということでしょう。外出が多く疲労を重ねたり、食生活が乱れたり、元気だからと油断せずに、日ごろからの健康管理をしっかりしなくてはと言っておられました。私自身にも言えることで、規則正しい生活習慣を心がけたいと思いました。
樋口先生は物書きが出発点で、50歳代に大学教授・評論家として活躍され、同時に女性グループとしての活動も始められ、女性の声の代弁者として、高齢化社会の中で介護の負担を担っている女性の声を代弁する団体を設立されました。それが現在も続く「NPO法人高齢社会をよくする女性の会」です。現在も理事長として活躍されています。
今まで経験したことのない超高齢社会を迎え、平均寿命の長い女性が多数派を形成します。経済的にも健康面においてもライフスタイルの面においても、女性の視点をふまえながら発言し行動していくことが課題です。介護する人が幸せでなければ、介護される人も幸せになれません。樋口先生にお会いして、実践してきた人の言葉の重みと、力強さを感じました。
介護は社会全体で支えて行くという共通理解のもとに、みんなが幸せを感じられる社会を目指したいものですね。