会社設立に当たって、介護事業の大切な心構えを定めたのが「当社の理念」です。
介護保険制度は変わるかもしれませんが、介護の本質は変わらないでしょう。
身体・精神・年齢等でどんなに不利な条件があっても、住み慣れた家や住み慣れた町で、日々の暮らし方を大切にして暮らすのが普通の生活です。
対人援助を中心として生活上の困難や不利益を取り除き、普通の生活が誰にでもできるように力を尽くすのが介護の目指す方向です。
当社の理念第1条の初めは次のとおりです。
個人の生存と尊厳は、すべての人々にとって究極の価値である。
生存というのは、生きることです。
「いのち」は一番大切なものです。
尊厳というのは、「いのち」と同じ様に、尊く侵しがたい価値です。
一人ひとりの個人は、何物にも変えがたい価値ある存在として尊重されなければなりません。
この考え方は介護の仕事の要です。
一人ひとりがかけがえのない存在ですから、お客様を大事に大切にして、自分をも粗末にしないで大切にしてほしいと思います。
当社の理念第1条の文は、理念を作るときに、憲法の資料文献のうち人権の内容で心に留った一文からとったものです。
「尊厳」という考え方は、介護保険法、社会福祉法、そして地域包括ケアシステムでも、制度を先導する基本とされています。
憲法13条前段には「すべて国民は、個人として尊重される」と規定されていますが、その実現のために後段では、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、・・・・・最大の尊重を必要とする」と定められています。
前段と後段を合わせて、「個人の尊重」の保障です。
まとめてみますと、前段では一人ひとりがかけがえのない価値ある存在であるということ、後段では個人個人が自分の価値を実現するための自己形成・自己発展・自己実現の活動や生き方も、価値あるものとして保障されるということです。
憲法97条は基本的人権について、「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に耐え、現在および将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と宣言しています。
保障された権利といえども、これを保持していくためには、色々な場面で不断の努力が必要です。
個人の尊厳という重みを改めて考えてみたいと思います。
会社の理念は、法人の人格である人柄を表します。
単に掲げるだけでなく、こんな会社でありたいというイメージを常に持ち続けることです。
会社の原点である経営理念を心において、お客様と向き合って行きましょう。