“ゆいま~る”という言葉は現在も沖縄地方に残っています。もともとの語源は「結」で、小さな集落や自治単位における共同作業の制度です。田植えや屋根葺き、稲刈りなど、一人で行うには多大な費用と期間、労力が必要な作業を、集落の住民総出で助け合い、協力し合う相互扶助の精神で成り立っているというものです。原則として一日の労力の提供に対し、同じ一日の労力を返し、金銭や物によるお返しは許されません。フジテレビのドラマ「北の国から・遺言」の中で、五朗さんが廃材で家を建てる際に、周辺の人たちが手伝って“手間返し”という言葉を使っていましたが、これが結の精神です。
「ゆい」は農山村の慣習でしたが、漁村にも同じように「もやい」という共助の慣習がありました。地曳網漁など村共有の網を使い、村中総出で網引きを行い、この漁労に関わるものは漁獲の分配を受けることができました。海難事故の時などは、一晩中焚火をたき続けて目印にします。
平成12年から始まった介護保険制度は相互扶助の精神そのものですが、新たな“地域包括ケアシステム”も、介護を地域全体で連携を取りながら支えていこうというものです。「ゆい」も「もやい」もその意味を十分理解して、地域介護の一役を担っていきたいと思います。
特定非営利活動法人ケアサポーター・もやいは、平成17年12月に設立いたしまして10年を迎えることができました。感謝の気持ちを込めて、地域の皆様と共に、介護予防を中心とした「おかげさまで10周年」の会を企画いたしましたので、ご案内申し上げます。入場無料、出入りは自由ですので、沢山の皆様のご参加をお待ちしております。